乳児湿疹

Q.どんな病気ですか?
A.乳児が湿疹を主訴に受診した場合、顔だけでなく必ず全身の皮膚をチェックすることが必要です。乳児で湿疹型の反応をきたす疾患はアトピー性皮膚炎、乳児脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、体部白癬など多岐にわたります。アトピー性皮膚炎については別項にて述べ、ここでは乳児脂漏性皮膚炎についてご説明いたします。
生後2~3カ月ぐらいまでは、ホルモンの影響もあり、生理的に皮脂が過剰に分泌されやすくなります(その後は減少傾向となり、生涯で最も皮脂分泌が少ない時期となります)。この皮脂が過剰に分泌されることで起こるトラブルが、乳児脂漏性皮膚炎です。皮脂腺の多い、頭、頬、額、耳の前後などに、赤いぶつぶつや、黄色いフケのような発疹ができます。多くは、生後半年頃から自然軽快していきます。
 
Q.治療は?
A. 頭の中や顔に湿疹ができている場合はシャンプーやせっけんをよく泡立て、こすらないように注意して、きれいに洗ってあげましょう。頭に付着するかさぶたはワセリンやオリーブオイルでふやかしてから洗うと効果的です。軽快しない場合は、抗真菌薬の外用や短期的にステロイド外用薬の併用も行います。