乾癬

〇当院での乾癬治療への取り組みについて

Q.どんな病気ですか?
A.銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の粉)を伴い、境界の明瞭な盛り上がった紅斑が全身に出現する疾患です。有病率は日本人の0.10.2%と言われ、男:女=2:1で男性に多い疾患です。尋常性乾癬、乾癬性紅皮症、滴状乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬と複数の病型に分けられますが、患者さんのほぼ90%が尋常性乾癬に分類されます。
Q.できやすい部位、年齢は?
A.大きさ、数、形は様々で、発疹が癒合して大きな病変を形成することもあります。好発部位は、慢性かつ機械的な刺激を受けやすい頭部、肘・膝、臀部、下腿などです。青壮年期に発症することが多いですが、幅広い年齢層にみられます。比較的欧米に多くみられる疾患ですが、近年日本での頻度も上昇してきています。
Q:症状の特徴は?
A.痒みは約半数の患者さんに見られます。爪の変形や関節炎を伴うこともあります(関節症性乾癬)。稀ながら、発疹が全身に及ぶこともあります(乾癬性紅皮症)。その他、喉が痛んだ後(扁桃炎)に雨滴状の小さな乾癬皮疹ができる滴状乾癬、全身に小さな膿疱が多発する汎発性膿疱性乾癬があります。
Q:乾癬は治らないの?
A.現時点では一度発症すると完治は難しいと考えられています。しかし、治療によって皮疹の全くない寛解状態を目指すことは可能です。もちろん再発することもありますので、いずれにしても長くお付き合いしてコントロールする疾患です。
Q.治療は?
A当院で行っている治療法として、.ステロイド薬や活性型ビタミンD3軟膏などの外用療法を基本としておりますが、近年ではこれらの合剤(ドボベット、マーデュオックス等)が発売され、外用の利便性が増しております。中でも、昨年発売された、フォーム剤のドボベットフォームは、従来の軟膏やゲル基剤よりも効果が高く、軟膏やゲルであまり効果が見られなかった患者様が、ドボベットフォームの外用で、状態が落ち着く例を頻回に経験しております。
 これらに加え、免疫抑制剤(シクロスポリン)、オテズラなどの内服療法に加え、ナローバンドUVBやエキシマライトによる紫外線治療を行っております。最重症の方は、注射による生物学的製剤の治療が適応になる為、総合病院へご紹介しております。乾癬でお困りの方は、一度、ご相談下さい。