多汗症

当院では、

・ボトックス注射(わき:保険適応)

・内服薬(保険適応)、外用薬(自費診療)による治療

ここでは多汗症の症状や診断法、部位に応じた治療法の一般的な解説を載せました。
気になる方は是非ご一読ください。

■多汗症とは?

全身の発汗が増加する疾患ですが、全身性多汗症と体の一部のみ発汗量の増加する局所多汗症に分類されます。また、特に原因のない原発性と、結核、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、薬剤などの関与した続発性があります。手掌、足底および腋窩などの限局部位から過剰に発汗する疾患が原発性局所多汗症になります。本邦における原発性局所多汗症は人口の約5~6%ですが、近年増加傾向にあると言われています。

近年、原発性局性多汗症は本邦でも適切な診断基準、診療ガイドラインが作成されて、重症度にあわせた治療が行われるようになりました。当院でも、日本皮膚科学会で推奨される塩化アルミニウムの単純外用や密封療法もしくはd-tubeの塗布等を行っております。重度の腋窩多汗症(わき汗)については、保険適応で、ボトックスの局所注射も行います。保険適応のボトックスは、下記に示す、重度の腋窩多汗症の診断基準を満たす方に適応になります

・切らずに治療したいという方

・ニオイや汗が気になる方

・短期間だけニオイや汗を抑えたい方にお勧めです。

暑い夏になる前にこの施術を受けられると、汗ジミやワキガが軽減され、わずらわしさから解放されます。

■腋窩多汗症(わき汗)の当院の治療方法

  • 塩化アルミニウム溶液(保険適用ではありません。長期使用で汗腺の退縮を促します)

日本皮膚科学会の診療ガイドラインで、全ての部位の多汗症に対し、第一選択となっている薬剤です。当院においては中等症までの患者を対象に塩化アルミニウムの外用療法を行っています。外用後、2~4週間ほどで効果が見られます。かぶれを生じやすいのが難点です。

  • 内服薬  抗コリン作用のある内服薬や漢方薬(プロ・バンサイン、グランダキシン、柴胡加竜骨牡蛎湯等)が効果があることがあります。
  • 制汗ボトックスが効果的です。

原発性腋窩多汗症(わき汗)の患者様は2012年11月より保険適応になりました。

近年ボトックスは、様々な医療の可能性が注目され、世界中で研究されています。このボトックスの有効な特性を活かし、腋臭症や、ワキガ、多汗症などの治療にも広く利用されています。ボトックをわきの下に注入することで汗腺の活動を抑制し汗の分泌を抑えることができます。効果は永続的なものではありませんが、お手軽な施術です。

汗の分泌が減ることで、ニオイも軽減することができます。

汗腺を取り除くわけではないので、効果は永続的なものではありませんが、約半年~1年位の間は汗の量を抑えることが可能です。

Q どのくらいで効果がでますか?
A 2,3日~7日程度で効果がでてきます。効果の継続期間には個人差があります。

Q 一回の治療はどのくらいの時間がかかるの?
A 最初は問診をさせていただき、保険診療のわき汗ボトックスの場合は次回外来の予約をおとりします(グラクソスミスクライン社よりボトックスを取り寄せるためです。3~7日後にとどきます)。その後、注射をさせていただきます。

Q 痛みはありますか?
A 当院では極細の針を使用している点、素早い施術で少ない痛みとなるよう工夫をしております。また、施術前にアイシングをする事により、痛みが軽減されます。

Q 時間はどのくらいかかりますか?
A 1回の治療時間は10分程なので日常生活に殆ど制限はありません。

■当院のわき汗(原発性腋窩多汗症)ボトックス治療の流れ

①問診をさせていただき、治療の適応か確認させていただきます。

②次回外来予約をお取りします(グラクソスミスクライン社よりボトックスを取り寄せるためです。3から7日後にとどきます)。

③予約時間に受診していただき施術、施術は10分程度で終わり、施術後はクーリングをした後すぐにお帰りいただけます。

■原発性腋窩多汗症と診断基準(この診断基準を満たす方は、保険適応のボトックスの適応になります

・原因不明の過剰なワキの汗が半年以上前から続いている

・さらに、以下の6項目のうち2項目以上に当てはまる

・両ワキで同じくらい多くの汗をかく

・ワキの汗が多いため、日常生活に支障が生じている

・週に1回以上、ワキに多くの汗をかくことがある

・このような症状は25歳以前にはじまった

・同じような症状の家族・親戚がいる

・眠っているときはワキの汗がひどくない