〇水いぼとはどんな病気ですか?
〇水いぼはうつるのでしょうか?
皮膚の接触による感染で、主にプールで感染が広がりやすいです。皮膚の接触に限らず、ビート板を介してうつることもあります。大人では性行為感染症としてうつることもあります。また大人はHIV患者では悪化しやすいです。
〇水いぼがあるとプールに入れないのでしょうか?
水いぼは接触感染であり、水着で覆われている部位の水いぼではうつることがまれであり、プールを休む必要はありません。平成25年に、日本臨床皮膚科医会と、日本小児皮膚科学会から「皮膚の学校感染症とプールに関する統一見解」が発表されており、そこでは「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。ただし、タオル、浮輪、ビート板などを介してうつることがありますから、これらを共用することはできるだけ避けて下さい。プールの後はシャワーで肌をきれいに洗いましょう。」と述べられています。しかし、実際には、それぞれの学校や水泳教室の現場で対応がまちまちで、水いぼがあるとプールには入らないよう指導している施設も少なくありません。
〇どのように治療しますか?
水いぼを摘出するか、保存的に様子を見て自然治癒を待つかは、医師の間でも見解が分かれており、結論は出ていません。数が少ないうち(数個以内)に摘出し、治癒できれば、苦痛も少なく、理想的ですが、再発を繰り返す事も多く、ある程度数が増えてしまうと、摘出時の苦痛が大きく、お子様も暴れてしまい、通院がトラウマになってしまうなど、どちらの方針が良いか、一概に言えない所があります(実際に、当院でも、再発を繰り返す度に水いぼの摘除を行ったお子様が、苦痛を感じて、来院しなくなってしまうケースをしばしば経験しております)。
摘出する場合は、ピンセット(トラコーマ攝子)による水いぼ除去が基本治療です(残念ながら、麻酔テープを貼っても痛みを完全に抑える事はできず、或いは恐怖心から、摘出時にお子様が暴れてしまうケースが多いです)。もともと小児の場合はアトピー性皮膚炎、湿疹体質がベースにあることが多く、そちらの治療もしっかり行うと肌のバリア機能が改善し、治りが早いです。また自然消退時にモルスカム反応といい、かゆみを伴うことも多く、多くの場合その時点でかきむしり、悪化してしまうこともあり、摘除以外でもスキンケア等の治療もしっかりと行うべきです。モルスカム反応を起こして、消退が予想される水いぼは、スキンケアやかかないように生活指導するのみで、摘出しないこともあります。