接触皮膚炎(かぶれ)

接触皮膚炎の定義は外からの刺激物質や抗原(アレルギーの原因)が皮膚に触れることによって発症する湿疹性の炎症反応で、日常語でいう『かぶれ』です。刺激に伴う一次刺激性接触皮膚炎と、アレルギーの機序に伴うアレルギー性接触皮膚炎の2種類に分類されます。

一次刺激性接触皮膚炎は原因となる物質の接触によって湿疹を誘発します。アレルギーは無関係なので、誰でも起こりえます。油・洗剤・石鹸など刺激の強い物質で起こります。おむつかぶれは、尿や便が細菌によって分解されできるアンモニアによる刺激で生じます。

アレルギー性接触皮膚炎は、原因物質に触れると皮膚の炎症細胞が感作されます。次に、またその原因物質に触れることによって、皮膚の炎症細胞が活発に働き湿疹を誘発します。化粧品・外用剤などが原因として多く、使用した部分が湿疹となります。その他、植物の原因として、サクラソウ・菊・マンゴー・銀杏が頻度が高いです。歯科金属アレルギーではニッケルなどが溶けだすことによる歯肉の炎症などがみられます。アレルギーの原因物質で有名なものは、プリミン(サクラソウに含まれる)・ウルシオール(漆に含まれる)・ パラフェニレンジアミン(ヘアカラーリング剤に含まれる)などがあります。

どんな症状?

かゆみを伴う発疹が、触れた部分に出現します。接触皮膚炎症候群、自家感作性皮膚炎も伴うと皮膚症状が全身に広がることもあります。

診断方法は?

臨床だけでわかる典型例もありますが、疑わしい場合はパッチテストを推奨しております。
当院では通常のパッチテスト、金属パッチテストも施行できます。

パッチテストの方法は?

疑わしい物質を皮膚に貼付し、48時間後、72時間後、場合によっては1週間後に皮膚の反応を見る
シンプルな検査です。72時間判定(3日後)まではシャワーはあびれません。また汗をかく季節はパッチテストで正しい判定ができないため、夏は避けて検査を行います。

治療方法は?

かぶれの原因となるものがわかれば、それだけで改善することもあります。早めに炎症を引かせたい場合はステロイド外用剤を湿疹の部分に塗布します。痒みに対しては、抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用します。症状が強い場合、自家感作皮膚炎の場合は、ステロイド内服が必要になることもあります。

【本ページは、ご厚意により渋谷駅前おおしま皮膚科さまの解説文を加筆して制作しました。】