SADBE療法は、正式には局所免疫療法と呼ばれ、主に円形脱毛症の治療に用いられる方法です。SADBE(スクアレン酸ジブチルエステル)という化学物質を脱毛部分に塗り、人工的に軽い「かぶれ(接触皮膚炎)」を起こすことで、免疫反応を利用して発毛を促します。
特に、脱毛範囲が広い多発型や全頭型、汎発型の円形脱毛症に対して、他の治療法で十分な効果が見られない場合に選択肢として考慮されます。
SADBE療法の特長
- 難治性の円形脱毛症への効果:ガイドラインで推奨度B(行うことを勧める)とされる標準的な治療法です。
- 作用機序が明確:毛根を攻撃している免疫細胞の働きを抑制・変調させ、発毛を促します。
- 小児にも適用可能:他の治療法が制限される小児の円形脱毛症にも選択肢となります。
- 全身への影響が少ない:局所的な反応を利用するため、内服薬に比べ副作用リスクが低いです。
期待できる効果とメカニズム
円形脱毛症は、本来体を守るはずのTリンパ球が、自身の毛根を誤って攻撃してしまう「自己免疫疾患」の一種と考えられています。
SADBE療法で意図的に接触皮膚炎を起こすと、その炎症を抑えようとサプレッサーT細胞が集まってきます。この細胞が毛根への過剰な攻撃を抑制するため、ヘアサイクルが正常化し、発毛が促されると考えられています。
含有成分について
使用される「SADBE」は人工的に合成された化学物質です。この物質自体に栄養があるわけではなく、あくまで免疫反応を誘発するための「試薬」として使用されます。
処置の受け方(ステップ)
STEP 1:感作(かんさ)の確立
初診時に高濃度のSADBEを腕などに貼り付け、体を「かぶれやすい状態」にします。約2週間後に赤くなれば感作成立です。
初診時に高濃度のSADBEを腕などに貼り付け、体を「かぶれやすい状態」にします。約2週間後に赤くなれば感作成立です。
STEP 2:濃度の決定
非常に低い濃度から開始し、1〜2週間ごとに通院。軽いかゆみが持続する「至適濃度」を一人ひとりに合わせて決定します。
非常に低い濃度から開始し、1〜2週間ごとに通院。軽いかゆみが持続する「至適濃度」を一人ひとりに合わせて決定します。
STEP 3:治療の継続
濃度決定後は、1〜2週間に1回程度、定期的に脱毛部へ塗布を続けます。
濃度決定後は、1〜2週間に1回程度、定期的に脱毛部へ塗布を続けます。
料金(税込):1回あたり 1,650円(自費診療)
よくある質問(Q&A)
- Q1. 治療に痛みはありますか?
- A1. 塗布時の痛みはありませんが、治療が進むとかゆみ、赤み、軽い腫れが現れます。これは治療が順調に進んでいるサインです。
- Q2. 効果はどれくらいで現れますか?
- A2. 個人差がありますが、一般的に3ヶ月〜半年以上かかります。産毛が生え、徐々に太い毛に変わるまで根気強い継続が大切です。
- Q3. 保険は適用されますか?
- A3. いいえ、SADBE療法は保険適用外の自費診療となります。
- Q4. 治療を途中でやめるとどうなりますか?
- A4. 中断すると、再び脱毛が進行する可能性があります。医師の指示に従い通院を続けてください。
使用できない方、注意事項と副作用
使用できない可能性のある方
- 重度のアトピー性皮膚炎の方
- 妊娠中・授乳中、またはその可能性のある方
- 日光過敏症(光線過敏症)のある方
主な副作用・リスク
- 接触皮膚炎(強いかゆみ、水ぶくれ、ただれ)
- リンパ節の腫れ(首や耳の後ろ)
- 色素沈着や色素脱失(白く抜ける)
- 頭痛、倦怠感、じんましん(まれ)
【注意事項】 塗布後6〜24時間は患部を濡らさないでください。また、治療中の過度な紫外線は避け、強い反応(水ぶくれ等)が出た場合は速やかに医師へご相談ください。






