小児アトピー性皮膚炎

Q.どんな病気ですか?
A.小児のアトピー性皮膚炎は、年齢によって皮脂の分泌量が異なるため、症状も若干異なります。乳児期は、頭、額、頬、口のまわり、首の付け根に湿疹がでやすく、悪化してくると、体や四肢にも湿疹が広がります。耳の付け根が紅くただれる、「耳切れ」はよく見られる症状です。幼児期、学童期になると、顔の湿疹は減り、かわって首、肘の内側と外側、膝とその裏側など、関節部に現れるようになります。アトピー性皮膚炎を発症してるかどうかのチェックポイントとして、①皮膚が全体的に乾燥肌(ドライスキン)であるかどうか②痒みを伴う湿疹が長期間続く(乳児で2か月以上、それ以上で6か月以上)③湿疹が左右対称にあらわる事が多い④湿疹が出やすい場所が、乳児期、幼児期、学童期で異なる、といった点が挙げられます。
 
Q。原因は?
A.アトピーの原因は人により様々ですが、小児アトピー性皮膚炎では、卵や牛乳、小麦などの食物アレルギーが関与していることも多く、採血が可能な年齢になったら、一度検査を受けてみましょう。逆に、成人のアトピー性皮膚炎では、食物アレルギーの関与はほとんど見られず、ダニやハウスダストのアレルギー、生活スタイルなどが関与していることが多いと言われています。アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関与が指摘され、原因植物がはっきりして、除去する必要があると判断された場合は、その食物を除去します。ただし、幼児期になると原因食物を食べても、症状が出なくなってくることも多いため、食物除去は最小限にとどめ、十分栄養を摂るようにしましょう。
 
Q.治療は?
A. 治療の基本は外用療法です。湿疹に対して保湿剤やステロイド軟膏などの治療薬で炎症かゆみを抑えます。治療によりお肌の状態が良くなった後も、継続して保湿剤中心にスキンケアをすることが大切になります。皮膚の状態を適切にコントロールする事により、喘息などその他のアレルギー疾患を予防できる可能性が最近の研究でわかってきています。